有料老人ホームってどんなところ?

高齢者の方の日常生活をサポートしてくれる施設として、有料老人ホームが注目されています。有料老人ホームには、介護サービスが付いている「介護付き有料老人ホーム」と、介護サービスが付いていない「住宅型有料老人ホーム」の2種類があります。

本記事では、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの特徴や違いを詳しく解説し、施設選びのポイントもお伝えします。老後の暮らしに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

有料老人ホームの種類と特徴

有料老人ホームには、大きく分けて「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類があります。それぞれの特徴や違いを理解することで、ご自身やご家族に合った施設選びができるでしょう。

介護付き有料老人ホーム

  • 24時間体制で介護スタッフが常駐
  • 要支援1から要介護5までの高齢者が対象
  • 介護サービスは定額制で提供
  • 食事、排せつ、入浴などの介護サービスを提供
  • 看護師が常駐して健康管理・医療行為を実施
  • 認知症や重介護度の方にも対応可能
    • 住宅型有料老人ホーム

      • 自立している高齢者から要介護者までが入居可能
      • 外部の介護サービス事業者と契約し、必要なサービスを選択
      • 介護サービスは利用に応じて費用が変動
      • 食事提供や生活支援サービスを選択可能
      • 自立度の高い方にとって経済的

      介護付き有料老人ホームとは

      介護付き有料老人ホームは、主に要介護者を対象とした施設で、24時間体制で介護や生活支援を受けることができます。都道府県の指定を受けた「特定施設入居者生活介護」の指定を持つ施設であり、施設に常駐する職員が介護サービスを提供します。

      介護付き有料老人ホームでは、食事や排せつ、入浴などの介護を提供し、看護師が少なくとも日中は常駐して健康管理や医療行為を実施します。また、食事の提供、リハビリテーション、レクリエーションなど多岐にわたるサービスを提供し、認知症の方や重介護度の方にも対応することができます。

      介護付き有料老人ホームの費用は、介護度に応じた定額制の介護費用となっているため、介護サービスを多く利用しても費用が変わらないという安定性があります。ただし、入居一時金や月額費用の設定は施設によって異なります。

      住宅型有料老人ホームとは

      住宅型有料老人ホームは、自立している高齢者から要介護者までが生活支援を受けて居住する施設です。介護サービスは外部サービス事業者と個別に契約して利用するため、必要に応じてデイサービスや訪問介護などの選択肢が広く、自立している高齢者から要介護者まで、状況に応じて柔軟に対応することができます。

      住宅型有料老人ホームでは、身体介護、食事提供、生活支援などのサービスを組み合わせて利用でき、自分の状態に合わせたサービス選択が可能です。介護が必要になった場合にも対応することができるため、状況の変化に合わせて柔軟に対応できるのが特徴です。

      ただし、住宅型有料老人ホームの費用は、利用する介護サービスに応じて変動します。介護度が重くなると費用が増加する可能性がありますが、必要な分だけ支払うため、軽介護度の方にとっては経済的であるといえます。

      介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの主な違い

      介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの主な違いを表で比較してみましょう。

      項目 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム
      初期費用 数十万円~数千万円 数十万円程度
      月額費用 15万円~40万円程度 5万円~25万円程度
      介護サービスの提供体制 施設に常駐する職員が介護サービスを提供 外部の介護サービス事業者と契約し、必要なサービスを受ける
      入居対象者 要支援1から要介護5までの高齢者 自立している方から要介護5までの高齢者

      介護付き有料老人ホームの詳細

      介護付き有料老人ホームは、要介護者の方々に向けた施設です。ここでは、介護付き有料老人ホームの特徴について詳しく見ていきましょう。

      24時間介護体制

      介護付き有料老人ホームでは、介護スタッフが24時間体制で常駐しています。食事や排せつ、入浴などの日常的な介護サービスを提供し、入居者の方々の生活をサポートします。

      また、看護師も少なくとも日中は常駐しており、健康管理や必要な医療行為を行います。このような手厚い介護・看護体制により、入居者の方々が安心して生活できる環境が整えられています。

      提供されるサービス内容

      介護付き有料老人ホームでは、多岐にわたるサービスが提供されます。食事の提供はもちろん、リハビリテーションや健康管理、レクリエーションなども行われます。

      さらに、認知症の方や重介護度の方にも対応しているため、状態に応じた適切なケアを受けることができます。入居者一人ひとりのニーズに合わせたきめ細やかなサービスが特徴です。

      費用の安定性

      介護付き有料老人ホームの大きな利点の一つが、介護度に応じた定額制の介護費用です。介護サービスを多く利用しても、費用が変わることはありません。

      ただし、入居一時金や月額費用の設定は施設によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。費用面での安定性は、介護付き有料老人ホームを選ぶ際の重要なポイントと言えるでしょう。

      入居対象者

      介護付き有料老人ホームの入居対象者は、主に要支援1から要介護5までの高齢者の方々です。ただし、施設によって受け入れ可能な介護度は異なるため、事前の確認が必要です。

      日常的な介護を必要とし、24時間の介護体制を望む方や、重介護度・認知症の進行がある方にとって、介護付き有料老人ホームは適した選択肢と言えるでしょう。

      住宅型有料老人ホームの詳細

      住宅型有料老人ホームは、自立した高齢者から介護が必要な方まで幅広い方が居住できる施設です。ここでは、住宅型有料老人ホームの特徴について詳しく解説します。

      介護サービスの自由度

      住宅型有料老人ホームでは、入居者は必要に応じて外部の介護サービスを利用することができます。デイサービスや訪問介護など、自分の状況に合わせたサービスを選択できるため、介護サービスの選択肢が広いのが特徴です。

      また、自立している高齢者から要介護者まで、幅広い方が居住しているため、状況の変化に応じて柔軟に対応することが可能です。介護が必要になった場合でも、引き続き住み慣れた環境で生活を続けることができるでしょう。

      サービス内容の選択性

      住宅型有料老人ホームでは、身体介護や食事提供、生活支援などのサービスを組み合わせて利用することができます。自分の状態に合わせて必要なサービスを選択できるため、過剰なサービスを受けることなく、適切な支援を受けられるのが魅力です。

      さらに、介護が必要になった場合でも、外部サービスを利用して対応することができます。状況の変化に合わせて、サービス内容を調整していくことが可能なのです。

      費用の変動性

      住宅型有料老人ホームでは、利用する介護サービスに応じて費用が変動します。介護度が重くなるほど、必要なサービスが増えるため、費用が増加する可能性があります。

      ただし、必要なサービスに対してのみ費用を支払うため、軽介護度の方にとっては経済的な選択肢となります。自分の状況に合わせて、適切な費用で介護サービスを受けられる点が、住宅型有料老人ホームの大きな利点と言えるでしょう。

      入居対象者

      住宅型有料老人ホームは、自立している高齢者から要介護5までの幅広い方が入居対象となります。ただし、施設によって入居条件が異なるため、事前に確認が必要です。

      比較的自立した方や軽介護度の方にとっては、必要に応じてサービスを選択できる住宅型有料老人ホームが適しているでしょう。自分のペースで生活しながら、介護が必要になっても住み替えることなく暮らし続けることができます。

      どんな人に介護付き有料老人ホームがおすすめか

      介護付き有料老人ホームは、一定の特徴を持った方におすすめの施設です。ここでは、どのような方に適しているのかを見ていきましょう。

      介護が必要で自宅での生活が難しい方

      介護付き有料老人ホームは、日常的な介護を必要とする方や、24時間の介護体制を望む方に適しています。特に、重介護度の方や認知症の進行がある方にとっては、安心して生活できる環境が整っています。

      施設内には介護スタッフが常駐し、食事や排せつ、入浴などの介護を提供します。また、看護師も少なくとも日中は常駐し、健康管理や医療行為を実施します。このような手厚いサポート体制により、自宅での生活が難しくなった方でも、安心して暮らすことができるのです。

      介護費用の安定を求める方

      介護付き有料老人ホームでは、介護度に応じた定額制の介護費用が設定されています。つまり、介護サービスを多く利用しても、費用が大きく変動することはありません。このため、将来的な介護費用の安定を求める方にとって、魅力的な選択肢となります。

      ただし、入居一時金や月額費用の設定は施設によって異なるため、事前に十分な確認が必要です。自分の予算に合った施設を選ぶことで、安心して介護サービスを受けられるでしょう。

      看取りまでの対応を希望する方

      人生の最期をどこで迎えるかは、多くの方にとって重要な問題です。介護付き有料老人ホームの中には、看取りまでの対応を行う施設もあります。終のすみかとして、最後まで安心して過ごせる環境を求める方にとって、適した選択肢と言えるでしょう。

      看取り対応の有無は施設によって異なるため、入居前に確認が必要です。また、看取りの方針や体制についても、十分に理解しておくことが大切です。

      どんな人に住宅型有料老人ホームがおすすめか

      住宅型有料老人ホームは、自立している方から要介護度の高い方まで幅広い層に適した施設です。ここでは、特におすすめしたい方をご紹介します。

      自立している方や軽介護度の方

      住宅型有料老人ホームは、比較的自立度の高い方や軽介護度の方に適しています。自分のペースで生活を送りながら、必要に応じて外部の介護サービスを利用できるため、自由度の高い生活が可能です。

      また、将来的に介護が必要になった場合でも、住み慣れた環境で継続して生活できるのが大きなメリットです。状況に応じて柔軟にサービスを選択できるため、自立している方や軽介護度の方にとって理想的な選択肢となるでしょう。

      費用を抑えたい方

      住宅型有料老人ホームは、介護サービスの利用頻度に応じて費用が発生するため、費用を抑えたい方にもおすすめです。自立度が高く、介護サービスの利用が少ない場合は、必要な分だけ費用を支払うことで経済的な負担を軽減できます。

      一方、介護付き有料老人ホームは定額制の介護費用となるため、介護サービスを多く利用しない方にとっては割高に感じる可能性があります。住宅型有料老人ホームなら、自分のライフスタイルに合わせて費用を調整できるのが魅力です。

      介護サービスの選択に自由度を求める方

      住宅型有料老人ホームでは、外部の介護サービス事業者と個別に契約を結ぶため、デイサービスや訪問介護など、様々なサービスを組み合わせて利用できます。自分の状態に合わせて、必要なサービスを選択できる自由度の高さが特徴です。

      介護が必要になった場合も、柔軟に対応できるのが住宅型有料老人ホームの強みです。状況の変化に応じて、サービス内容を調整できるため、長期的な視点で安心して暮らすことができるでしょう。

      まとめ

      有料老人ホームには、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの2種類があります。介護付き有料老人ホームは、24時間介護体制のもと、多岐にわたるサービスを提供し、介護費用も定額制のため安定しています。一方、住宅型有料老人ホームは、外部の介護サービスを利用でき、自由度が高く、費用も利用したサービス分だけ支払う形になります。

      介護付き有料老人ホームは、介護が必要で自宅での生活が難しい方、介護費用の安定を求める方、看取りまでの対応を希望する方におすすめです。住宅型有料老人ホームは、自立している方や軽介護度の方、費用を抑えたい方、介護サービスの選択に自由度を求める方に適しています。

      有料老人ホームを選ぶ際は、立地や周辺環境、施設の設備や居室の広さ、スタッフの対応や雰囲気、提供されるサービスの内容、費用の内訳と将来的な変動、入居条件や契約内容など、様々な点を確認することが大切です。自分や家族に合った施設を選ぶことで、安心して快適な暮らしを送ることができるでしょう。

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