医療・介護現場における停電と蓄電池──“備え”の落とし穴を知る

災害時に停電の備え、できていますか?
介護施設や病院では、人工呼吸器やモニターなどの命を守る医療機器が日々稼働しています。
しかし、一般的な市販蓄電池は医療機器に対する安全性や性能が保証されておらず、
“使ってみたら動かなかった”といった事態に陥る可能性があります。
停電時、“いまの備え”は本当に安全でしょうか?
今回は、日本で唯一の医療用蓄電池を取り扱う「株式会社ナユタ様」にご監修いただき、
意外と知らない蓄電池についてお伝えいたします。
目次
市販の蓄電池では医療機器を安心して動かせない――その誤解とリスク
自家発電だけでは安心できない理由――トラブル例と点検の限界
-トラブル事例:医療機器が約20分停止した危機
-地震の揺れに弱い安全装置――「震度6以上では作動しない」仕組み
-点検の現状と限界
医療用蓄電池の導入――備えを強化する具体的な理由
今こそ備えを見直し、命を守る一歩を
市販の蓄電池では医療機器を安心して動かせない――その誤解とリスク
“市販されている蓄電池があれば災害時にも医療機器を動かせる”と思っている方が多いと思います。
実際、自治体や介護施設では、災害対策として一般的なバッテリー式の蓄電池を備蓄している例も少なくありません。
しかし、こうした蓄電池では精密な医療機器の安全性や性能が保証されていないため、“使ってみたら動かなかった”あるいは“誤作動した”といった致命的なリスクがあるのです。
具体的には、医療機器には厳しい安全規格(例:JIS T 0601‑1やIEC 60601‑1)が求められていますが、市販の蓄電池の多くはこれに適合しておらず、正しく接続してもシステム全体の安全性を損なう恐れがあります。
つまり、一般蓄電池を使うことは**事実上「自己責任」**に委ねられることになり、命に関わる医療現場では選択し得ないリスクと言えます。
たとえば、検査室で一般蓄電池を内視鏡機器に接続したところ、誤作動が起こってしまった一方で、医療機器用蓄電池では問題なく正常に稼働したという事例が報告されています。
このように、一般蓄電池を備蓄して万全と考えるのは大きな誤解につながり、災害時の“命を守るはずの備え”が逆に危険になってしまう可能性があります。
自家発電だけでは安心できない理由――トラブル例と点検の限界
病院や診療所では自家発電装置(非常用発電機)の設置が義務となっている場合が多いですが、それが万全とは限りません。
実際には想定外のトラブルが頻発しています。
トラブル事例:医療機器が約20分停止した危機
ある病院では、深夜に大規模地震によって停電が発生。
非常用発電機が自動始動を試みたものの、バッテリーの劣化によって※クランキングができず、約20分間、ICUや手術室の人工呼吸器やモニターなどが停止する事態となりました。
結果として現場では外部発電機を緊急手配し、医療体制をつなぐのが精一杯でした。
※外部から力を加えてエンジンのクランクシャフトを回転させ、エンジンの始動に必要なピストン運動を発生させる動作
地震の揺れに弱い安全装置――「震度6以上では作動しない」仕組み
さらに深刻なのは、震度6以上の地震動に対して発電機が起動しないようになっている安全装置の存在です。
例えば、東日本大震災や大阪北部地震などでは、発電機そのものが破損したり、安全装置が作動して作動不可になるケースが多数報告されました。こうしたリスクは、まさに“緊急時にこそ作動してほしい”設備が機能しないという致命的な問題です。
点検の現状と限界
また、自家発電設備の法令点検が形式的にとどまっている施設も少なくありません。
例えば、ある研究センターでは、非常用発電機の法定保安検査を少なくとも5年以上怠っていたことが明らかになりました。
これにより、停電から復旧まで約3時間を要し、人工呼吸器などに代替電源を急遽用意するなど、非常事態対応が後手に回る事態が発生しました。
医療用蓄電池の導入――備えを強化する具体的な理由
- 医療機器用リチウム蓄電装置レムリア(ME3000)の場合、3,3KWh、消費電力100Wの場合は33時間使用可能
医療用蓄電池は、停電発生時に空白時間なく電力を供給でき、UPSと同様に瞬断もなく、30時間程度の連続稼働が可能です。
緊急時や手術・ICUで非常に頼りになる存在です - 高い安全性と設計思想
ファンレス設計で故障リスクが低く、コンパクトで可搬性があり、静音性にも優れているため、騒音が気になる病棟や患者対応環境でも安心です。
さらに、メーカーによる長期保証の提供など、運用負荷の軽減も可能です - BCP(事業継続計画)の強化にも直結
介護施設では、2024年4月以降、BCPの策定が義務化されています。医療用蓄電池は、そのバックアップ電源として、法令対応と業務継続力の向上に貢献します
今こそ備えを見直し、命を守る一歩を
停電時の電力供給に関しては、「自家発電だけで十分」「一般の蓄電池で大丈夫」という考え方では、
“もしも”の時に命を守ることは難しいかもしれません。
医療機器の安定稼働を確実にするためには、医療用規格に準拠した蓄電池の導入が不可欠です。
特に、停電のタイミングで“一瞬の空白”も許されないICUや手術室などでは、その重要性はさらに高まります。
具体的なアクション提案:
- 医療機器の消費電力や接続数を 専門家とともに把握・試算する
- 医療現場に対応可能な 医療用蓄電池の導入を検討する
- 定期的な 運用訓練・点検と記録による備えの見える化
「止まらない医療」を実現する備えとして、今こそ見直す時です。
下記から、日本で唯一の医療機器の認定を受けている蓄電池「LEMURIA(レムリア)」をご紹介しているコラムをご覧いただけます!
今回監修してくれたのは…

株式会社ナユタ
1993年創業の電源技術に強い信頼ある企業です。省エネ・小型化にこだわり、医療機器向けの高品質なカスタム電源や非常用蓄電システムを提供しています。
特に「LEMURIA(レムリア)」シリーズは、JIS T 0601‑1(医療機器安全規格)適合の国内唯一の蓄電池として、安心・安全に使える製品として医療現場で評価されています 。また、有名企業との取引実績もあり、ISO取得やグループ統合による体制強化も進めている、信頼の企業です。